りんごのページ日記

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ベンチ物語。

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 私が働く店のすぐ横に、ベンチがあります。
 色んな人が来て、、、そして去って行きます。



 彼女に初めて会ったのは、半年ぐらい前でした。

 彼女は72歳。
 早くにダンナさんを亡くし、
  保険勧誘の仕事をしながら、女手一つで娘一人、息子二人を育てあげたそうです。
 そろそろ一人では危ないから、、
   と、娘さんの家に同居する事になり越してきた、と嬉しそうに話してはりました。

 その日から、ほぼ毎日、、、
  彼女はそのベンチに来るようになりました。
 そして、3時間から長くて5時間も、
  何をするでも無く、そのベンチに座って過ごすのです。

 お客さんのいない時を見計らって、毎日、彼女と話をするのが日課のようになりました。
 亡くなったダンナさんの事、娘さん、息子さん、お孫さんの事、、
                         彼女の若かりし頃の思い出、、、
 ずっと頑張って働いてたから、年金もいっぱい貰えてるのよ。
 と、話す彼女は、ちょっと誇らしげで、、
  彼女の言う年金の金額に、ちょっとだけオーバーに驚いてみたりとかして。。

 ただ、、、時々ポツリと、、
  家事とかは、危ないからって一切させて貰えない、、
  友達はみんな、前住んでた所にいるから、、もう会えない、、
  家にずっといて、TV見てるだけなのも気が引ける、、、
 寂しそうに話してはりました。


 なんだか、あっという間だったと思います。
  彼女の話に違和感と言うか、、ヤバイなと感じ出したのは。
 年配の方が、同じ話を繰り返しするのは普通の事でしょうが、、
  その頻度が、、、もう、”普通”の域を完全に超えてしまってました。

 そして3週間前、、
  いつものようにベンチに座る彼女を見つけ、私も隣に座りました。
 彼女はいつものように笑顔で私を迎え、、それから、、
  何度も、何度も、何度も、何度も、、、、同じ話の繰り返し。


 それが、彼女を見た最後です。
 あんなに毎日来てたのに、、
  また、ひょっこりと 「風邪引いてたのよ」 なんて言って来てくれたらと思います。
 ただ、、、
  もう、、一人で外に出るのは、危ないのかもしれませんが…


 年を取った母親を心配して引き取った娘さん、、親孝行ですよね。
 でも、、
  彼女、もし前の生活を続けていたら、、、

 なんて考えるのは、、余計なお世話ですね。



  10月のアンケート -見習い魔女に叶えて欲しい事- 



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by ringo-diary | 2010-10-05 01:10 | 世間話。。